喜舎場ウフカー(大井泉)・カーグムイ(井泉小堀) 北中城村喜舎場
【場所】
沖縄県中頭郡北中城村喜舎場80−1。県道81号線の「喜舎場バス停」近くの、ココストアと琉球銀行がある交差点を北へ「コスタピスタ沖縄ホテル」に向かって登る道に入ってすぐに左へ、北中城幼稚園の裏を通る道へと入る。その路地に入って二つ目の十字路を、右へ曲がる。そして一つ目の十字路を左折すると喜舎場ウフカーがある。
【駐車場】
湧水の西側の道に駐車できそうなスペースがある。
【歴史】
喜舎場ウフカーについては次のように案内版に書かれていた。
「喜舎場ウフカーの築造年代は詳らかでないが、旧藩時代という説もある。
1922年(大正11)7月に屋根をコンクリートで葺き、第二次大戦後危険防止と衛生保持のためポンプ2台を据え付け前面をコンクリートで覆った。
ウフカーの敷地には洗濯ガーとカーグムイ(井泉小堀)があり、ウフカーは飲料水等の生活用水に、洗濯ガーは衣類等の洗濯に、カーグムイは畑の帰り手足を洗うために利用することが決められていた。水量が豊富で日照りが続いても渇水することはなかった。
正月にはワカミジ(若水)、新生児が生まれたときはウブミジ(産水)を汲み、旧5月のウマチー(祭)には字の各門中が水の恵みに感謝して祈願した。
ウフカーの名称は、ンブガー(産井泉)・共同井戸の呼称もある。明治の頃は各家庭に井戸が少なく、女性が桶を頭にのせて水汲みをしている。戦後簡易水道ができ、上水道が布設されてからは、生活用水として利用されなくなった。」
【現在の利用】
ポンプがつけられていることから見て、現在も周囲の民家で使用されていると思われる。また子供の遊び場や、拝所となっているようだ。
【感想】
この付近では最大規模の湧水だろう。今も綺麗に整備され、地元の人たちの憩いの場となっているのは、素晴らしいことと思う。喜舎場付近には、
イーヌカー、イラブーガー、
ビンダガー、
上門ガー、
仲順ウフカーなどがあり、
荻道大城湧水群と同等規模の湧水群と言えるのに、ほとんど知られていないのは残念である。
ウフカーの水槽は、北中城村に多い幅の広い長方形タイプである。石組みは切石組みで美しい。
藻が底にたくさんついており、緑色に見える。水量は少ないようだ。
「このカー(わき水)の中に石やモノを投げ入れたらケイサツに連絡します」と書かれている。なかなか厳しい。
水槽の外からも水が沁み出ている。
カーの水はこの水路を流れていく。
ウフカーを上から見下ろしたところ。非常に大規模な湧水であることがわかる。
ウフカーに下る石段も幅広い。
ウフカーのとなりにあるカーグムイ。こちらの方が水量が多く、水も綺麗だ。
新しいポンプが設置されている。
カーグムイの上から眺める。湧水のある位置は若干掘られていることがわかる。
右にカーグムイ、奥にウフカーが見える。
湧水の奥に、コスタビスタ沖縄ホテルが見える。