インナガー(犬名河) うるま市
 
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【場所】
伊計島の西海岸に位置する。宮城島から伊計島に入り、AJリゾートアイランド伊計島方面に向かうと「犬名河400m」と書かれた道標がある。それに従い、左折し、行き止まりまで行くと、インナガー入口の駐車場に着く。そこから階段を標高差30m、階段を150段下るとインナガーに至る。

【駐車場】
インナガーの入口に数台停めることのできる駐車場がある。

【歴史】
犬名河(いんながー)は伊計部落より北西約一粁の処から、更に急勾配の石段を百五十段も下りた崖下の海岸近くにあり、今から数百年も昔、農夫が畑仕事をしていると、犬がずぶぬれになって身震いしながら海岸から上がってくるので、不思議に思ってついていくと、犬が湧き出る泉で水浴びをしていたという。以来、犬名河と呼ばれ、伊計島唯一の水源地として人々の生活を支えてきた。
 しかし、部落からの道程が遠く、百五十余の石段の上り下りは、住民にとってかなりの労働だった。
 
伊計人の嫁や ない欲しゃやあしが 犬名河の水の 汲みぬあぐで
(伊計人の嫁になりたいのだが、犬名河の水汲みがあるしなあ.... )
 
という、当時の娘達の心情を吐露した名歌が残されている。この水汲みの労苦を救わんとして、伊計島の先人達は二ケ年の才月と壱万弐千五百円の工費をかけて、昭和10年12月、部落内に簡易水道を敷設して一気に水事情を緩和させた。
 
戦後、米国沿岸警備隊の駐留に伴い、揚水機の増力、貯水タンクの増設、水源地の拡張等により、犬名河の水事情は更に改善された。
 
時代は移り、昭和57年4月、伊計大橋の開通と共に上水道が導入されることとなって、犬名河の住民に対する生活用水としての使命は終焉を告げるに至ったが、今後は農業用水として更に新しい使命を担って、伊計住民の生活と深くかかわり続けていくことでありましょう。

【現在の利用】
現在は

【感想】
集落から往復2キロ、150段を上り下りする水汲みとは、沖縄では最もハードな水汲みだったろう。喜友名泉や糸数樋川も上り下りが大変だと思ったが、インナガーに比べれば大したことはない。嫁に来るのをためらうのも頷ける。
 
沖縄では犬が湧水を発見したという例は多く、ヤブガー(屋富祖井)カデシガー(嘉手志川)も犬が発見したという伝説がある。
 
海岸の目の前というロケーションは素晴らしいので、湧水好きの方にはおすすめしたい。ただし蚊が多いので気をつけて。
 
 
コンクリートでつくられた建屋の中から水が湧いている。
 
 
 
 
柵越しに中を覘くと二つの樋から水が流れ出ていた。海の目の前だが、真水である。
 
 
 
  
「犬名河利用者へ」と書かれた看板がある。鍵を開けて水を汲みたい人は自治会に連絡する旨書かれている。
 
 
 
 
海を見ながら踏み跡を下っていく。
 
 
 
 
石灰岩を削った石段がある。
 
 
 
 
最下部はコンクリートでつくられた立派な階段となる。
 
 
 
インナガーは海岸の目の前にある。
 
 
 
 
厳重なつくりは、それだけ伊計島では真水が希少だったことを表しているようだ。
 
 
 
 
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